テーマ:ダンゴムシ
設定理由
・山に囲まれた地域に園があり、バッタやテントウムシ、ダンゴムシなどの小さな虫がとても身近になっている。その中でもダンゴムシは子ども達も捕まえやすく興味をもち、園庭で探し集めては嬉しそうに見せにくる園児の姿が見られた。ダンゴムシを通して生き物への興味、関心を広げることができると考え、テーマを設定した。
活動スケジュール
・月に1、2回
準備したもの
・飼育用品(飼育ケース、土、餌、霧吹き) ・マイクロスコープ・集音マイク
活動内容
4月・園庭のダンゴムシを飼育ケースに入れて観察する。
5月・ダンゴムシの生態について知り、飼育環境を作る。
6月・ダンゴムシの体を拡大鏡で見て、細部を観察する。
7月・ダンゴムシに赤ちゃんがいないか調べる。
8月・ダンゴムシの赤ちゃんを知る。餌やりをする。
9月・ダンゴムシに適した生育環境を考える。集音マイクを使ってダンゴムシの歩く音を聞いてみる。
10月・ダンゴムシの排泄等の生態を知る。
11月・ダンゴムシの脱皮を通し、体の変化を考える。
12月・ダンゴムシの好物は何か知るために実験をする。
1月・ダンゴムシの行動が季節により変化することを知る。
2月・ダンゴムシを園庭に戻し、観察を終了する。
活動中の子どもの様子
4月「ダンゴムシ捕まえた」飼育
・虫好きな男の子が、毎日ダンゴムシをたくさん捕まえていたので、よく見えるよう飼育ケースに入れて観察をしました。「動いてる!」「おー!」と間近で観られ興奮した様子で、ダンゴムシの動きを目で追っていました。虫探しが広がり、毎日園庭の隅や植木の下を数名で探す子どもの姿が増えていきました。
5月・ダンゴムシのことを知ろう
・「ダンゴムシって目あるの?」「なんで丸くなるの?」とダンゴムシについて知りたい事が増えてきた子ども達。そこで紙芝居や絵本などを通してダンゴムシの生態、好きな場所、食べ物を知りました。いつでも読めるように絵本コーナーを作ると、「ビックリすると丸くなるんだ」「足がいっぱいあるね」「(オスとメス)色がちが~う」とダンゴムシに対する興味が広がったようです。
・ダンゴムシのお家を作ろう
・お部屋で飼ってみたいと子ども達からお願いがありました。「ダンゴムシさん達はどんなお家がいいかな?」と問いかけると「土とか葉っぱがいる」「石も~」と絵本などから得た知識を披露する子ども達。いつもダンゴムシがいる場所の土を集め、飼育ケースにダンゴムシのお家を作りました。「葉っぱ食べるかな?」「葉っぱに登ってるよ」「すご~い」と飼育ケースのダンゴムシにくぎ付けでした。
6月・ダンゴムシの体をよく見てみよう
・ダンゴムシにオスメスがいることを知り「赤ちゃん、いるかな」と子どもたちから疑問があがりました。お腹を見ないと分からないのでマイクロスコープで観察。「うわ~足がいっぱいあるよ」「12345…いっぱいだ」「足バタバタして起き上がれなくなってるんじゃない?」「え~んって泣いてるよ」など動く足に注目が集まりました。「(お腹側)ちょっと怖い」と表情が強張る子どももいます。「赤ちゃんいないね」と残念そうな声が上がっていました。
7月・ダンゴムシに赤ちゃんが生まれた
・園庭で遊んでいる時に何気なく捕まえたダンゴムシを見たところ、なんと赤ちゃんを発見!直ぐにカメラで拡大しながら観察を始めました。「赤ちゃんだ!!!」「白いよ」「すごいこんなに生まれたんだ」「ちっちゃいね」と大興奮。お部屋の飼育ケースに入れて観察をすることにしました。
8月・赤ちゃん可愛いね
・「赤ちゃんどこ?」「ここにいた~」「寝てる~かわいい~」と観察していると、赤ちゃんが生まれたことを知らないお友だちも興味深そうに近づいてきました。「赤ちゃん生まれたの?」「お腹から?」との質問に「そうだよ、お母さんのお腹にいっぱい居たんだよ」「ここにいるよ」と教え、嬉しそうにダンゴムシの赤ちゃんを見ていました。
・ダンゴムシが死んじゃった
・真夏のある日、丸まって動かないダンゴムシを保育者が発見しました。「先生どうしたの?」「ダンゴムシ死んじゃったみたい」「なんで~?」「(他のダンゴムシ)どこ行っちゃったんだろ」「お腹すいたのかな~?」 調べたところ水分不足ということが判明。「かわいそうだね、暑いからお水もちゃんあげないとね」と残念がる子どもたちと話し合いをした結果、園庭の土に還すことにしました。
9月・ご飯をもらおう
・この日はダンゴムシの野菜がなかったため、給食室に何かあるかな?と促してみた所「聞いてくる」と子ども達。先月の『ダンゴムシとのお別れ』で食べ物が大事だと考えているようでした。「ダンゴムシのご飯下さい」「ダンゴムシ?飼ってるの?」「そう、この間死んじゃったんだよ」と給食の先生に自ら事情を説明していました。「これどうぞ、今度見に行くね」「うん!」と嬉しそうに野菜をもらって戻り、「ご飯だよ~」「食べてるね~」と食べる様子を飽きることなく眺めていました。
・半分白いダンゴムシ
・「半分白いダンゴムシがいる!」と興奮する声が聞こえてきました。見に行くとどうやら脱皮をしている様でした。「怖い…」とつぶやくお友だちに、発見した子は「大きくなってキツイから脱いだんだよ」と力説していました。子どもなりに「脱皮」のことを考え、上手にお友達に伝えている姿に驚きました。

・集音マイクを使ってダンゴムシの歩く音を聞いてみよう。
ダンゴムシに沢山の足があることを知っている子ども達。ダンゴムシってたくさんある足で「どんなふうに歩いてるんだろう?」「どんな音がするかな?」と問いかけてみました。小さな音を聞くことが出来る集音マイクでダンゴムシの歩く音をみんなで聞いてみました。子ども達は静かにして、音を真剣に聞いていました。どんな音かな?「カサカサってあるいてる。」「お話の声が聞こえる。」とかわいらしい答えも聞くことが出来ました。
10月・ダンゴムシのウンチ?!
~~とある日の『ダンゴムシを良く観察している子』と「あまり興味のなかった子」の会話~~
「この黒いのなに?」『ウンチだよ』
「えーっうんち?」『ウンチするよ、キャベツとかキュウリとかご飯食べてるから』
「くさっ」『臭くないよ、ほら(匂いを嗅いでいる)』
「ほんとだクサくない、キャベツのにおいしかしないね」
その後、絵本を見ながらダンゴムシについて語り合っていました。
11月・ダンゴムシの脱皮
・脱皮途中のダンゴムシを子どもが発見し、飼育ケースに入れ観察しました。その後「この子も脱皮中、一緒だよ~」と別の子がもう1匹ケースに入れていました。しばらくすると1匹は土に潜って行ってしまいました。「眠いのかな~」「ねんねしてるね」「寒いのかな~?」「土の中に隠れて寝てるんじゃない?」「触るから怖くて隠れちゃうんじゃない?」「あの子(土の上に居るダンゴムシ)は怖くないんだね~」とダンゴムシの動きをよく観察をし、子ども達なりにダンゴムシの動きを想像していたようです。
12月・ダンゴムシの好きな物
・給食にキュウリやキャベツ、ニンジンが出ると「ダンゴムシさん、これ好きだよね」と言う声が時々聞こえてくるようになりました。そんな会話のおかげか苦手な野菜を1口、2口と、子どもたち自身が挑戦する姿も。図鑑でダンゴムシが色々な食べ物を食べることを知り「うちのダンゴムシは何が好きなのかな?」と疑問に思った子ども達。迷路型の新しい飼育ケースを用意し実験してみることに。「こっちにお菓子あるよ~」「おいで~」と声を掛ける子ども達でした。結果はピーマンが一番人気となり、お菓子に1匹も行かなかった事に子どもたちはとても驚いていました。
1月・いなくなったダンゴムシ
・寒さが厳しくなってきた1月、エサをあげてもダンゴムシが出てこなくなってきました。心配する子ども達「お~い」と声をかけたり、好きな人参をあげて出てくるのを待ちます。そっと葉っぱをめくってみると「いたよ!寝てる!」「みんないるよ!」と笑顔になりました。冬眠について説明し、今は眠っているだけと知って安心した子どもたちでした。
2月 ダンゴムシさんありがとう
・2歳児クラスはもうすぐ幼児クラスへ移行し保育室が変わるため、このままみんなでダンゴムシのお世話するのは難しくなることを話しました。「これからどうしようか?」と子ども達に相談すると、「園庭にお引っ越しすればいつでも会える。」という言葉があがりました。「ありがとう、また会おうね」と手のひらに乗せて別れを惜しみつつさよならしました。
ふり返り
・始め虫が好きな子どもは3、4名でしたが、ダンゴムシの飼育が始まると、段々と生き物へ関心を持つ子が増えていきました。夏にダンゴムシの死を経験し、エサやりを自分たちの手で行うようになってからは特に愛着がわいたように感じました。2月に園庭に返してからも園庭で遊ぶ度に見に行き、優しく手に乗せて挨拶をしている子がいました。この活動のきっかけとなり、最もお世話を頑張ってくれた子です。4月は全部自分のダンゴムシだと独占し、力任せに捕まえて潰してしまったこともありました。今は「連れて帰る?」と尋ねても「ううん、ここで会えるからいい」の返事でした。約1年のこの活動を通し、子ども達は生き物に興味関心を寄せ、知識が深まりました。子ども達の心に生き物を大切にする心が少しでも残ってくれたらと思います。





































